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コラム – レプリコンワクチンの安全性への懸念

令和6年10月から新型コロナワクチンの定期接種が開始された。
新型コロナワクチンにはいくつかの種類があるが、その中の一つの自己増幅型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)に対しては、安全性について重大な懸念が持たれている。

1 日本看護倫理学会の緊急声明

例えば、本年8月、日本看護倫理学会は、緊急声明「新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンへの懸念 自分と周りの人々のために」を発表した。同声明では以下の問題点が指摘されている。

①レプリコンワクチンが開発国や先行治験国で認可されていないこと

レプリコンワクチンは、米国で開発され、ベトナムで大規模治験が実施されたが、同ワクチンは米国でもベトナムでも未だに認可されていない。同ワクチンは、世界で唯一、日本のみで認可されている。

②シェディングの問題

従来型のmRNAワクチンは、接種後に細胞内で抗原タンパク質の遺伝子をコードしたmRNAから抗原タンパク質が一過性に発現し、抗原タンパク質に対する免疫が誘導される。
一方、レプリコンワクチンは、接種後に細胞内に入ったmRNAが一時的に複製され、従来型のmRNAワクチンよりも長い時間、抗原タンパク質が作られるため、従来型のmRNAワクチンよりも強く免疫が誘導される。

このため、レプリコンワクチン自体が接種者(接種を受けた者)から非接種者に感染(シェディング)するのではないかとの懸念がある。

③将来の安全性に関する問題

mRNAワクチンは、人体の細胞内の遺伝機構を利用し抗原タンパク質を生み出す技術であることから、人間の遺伝情報や遺伝機構に及ぼす影響、とくに後世への影響についての懸念が強く存在する。

2 厚生労働省の説明

以上のように、レプリコンワクチンの安全性について様々な懸念が持たれているが、このような懸念に対して、厚生労働省は、納得できる説明をしていない。

例えば、シェディングについて厚生労働省は、「これまでに、レプリコンワクチンを受けた方から他の方にワクチンの成分が感染するという科学的知見はありません。」としている(「令和6年度第2回予防接種に関する自治体説明会 新型コロナワクチン(製剤)に関するご質問への回答」)。

しかし、これでは不十分で、上記の緊急声明で述べられているように、シェディングしないことが、臨床研究によって実証されなければならないのではないだろうか。

3 広がる波紋、混乱

このような安全性に対する懸念を受けて、一部の美容院、クリニックなどで、レプリコンワクチン接種を受けた者の入店、来院を制限する動きがみられる(令和6年10月9日付産経新聞)。

ここで、クリニックなどの医療機関がレプリコンワクチン接種を受けた者の診療を拒否することが、医師法の定める「応召義務」(「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」[19条])に違反しないかが問題となる。

この点について、令和6年9月19日の厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会でとりあげられたが、厚生労働省側は、「応召義務違反かどうかは一概にお答えすることが困難」として、明確に回答しなかった。なお、同分科会では、「レプリコンワクチンの客観的データを分かりやすく示すべきだ」など、政府による丁寧な周知、説明を求める意見が相次いだ。(以上、同年9月20日付日刊薬業)

4 政府は安全性への懸念を払拭すべき

上記のような混乱を回避するために、政府・厚生労働省は、レプリコンワクチンの安全性に対する懸念に対して、丁寧に説明すべきである。
そして、臨床研究などによって安全性に対する懸念を払拭できないのであれば、レプリコンワクチン接種は中止すべきである。

以上

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